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2016.08.09[ハーネス規格編]②厳しい規格のもとで(後編)

  • こんにちは、山崎です。

    今回は前回に続き「ハーネスの規格」についてです。

    【ハーネスの規格~その②】

    ハーネスの規格はJISで厳格に規定されています。

    その内容は「JIS T 8165」という書類に書かれています。

    ネットで検索すると見る事が出来ますが、今回はそれを抜粋してご案内します。

    (冊子の順番に書いていきます)

    まず冊子には、【用語】や【定義】について書かれています。

    「フルハーネス」「ランヤード」「U字つり」など、業界の言葉が定義づけられています。

    そして、次に【種類】。

    ここでは各々の形が図解され、各部品の名前も表示されています。

    ここまでが、本でいうなら「序文」です。

    その次は、本題の【性能】について書かれてます。

    【性能】は「強度」で示され、測定方法は「引っ張り試験機」というものを使用します。

    人の背丈より大きな機械で、調べたい部品を機械が自動で、ゆっくり引っ張っていきます。

    引き千切れるまで引っ張って、限界を求めます。

     

  • ハーネスの【帯】部分は、「15.0kN」<strong>(*1)</strong>以下で破断してはいけないとされています。

    これは、従来の胴ベルト式と同じ数値です。

    そして、更にハーネス全体では11.5kNで破断しない事が求められています。

    検査の方法は、肩の辺りと脚の辺りを縦方向に引っ張っていきます。

    ここで求められているのは、縫い合わせ部分の強度です。

    11.5kNは約1,100キログラム相当になります。

    という事は、ゆっくり引き上げた場合、70キログラムの体重の人が、

    約15人ぶら下がっても耐えられる構造であるということになります。

     

    次に【構造】について書かれています。

    ハーネスの「帯」の幅ですが、フルハーネスは40mm以上とされています。

    胴ベルトが50mm以上とされている事と比べると少し細くなっています。

    全身に巻きつける構造なので、少し負担が軽減される事はうれしいですね。

    胴ベルト式とは「幅」が違いますので、従来胴ベルト式で使用していた「環類」や「留め具」は、

    ハーネスには使用できなくなります。ご注意ください。

    この後、JISの記載は【材料】を指定したのち、【試験】【検査】へと進みます。

    【性能】で示された数値の【試験】方法、【検査】方法を、

    同じ番号を使って関連付けた書き方にしてあります。

    &nbsp;

    &nbsp;

    ここで、規定の人型おもり(トルソー)を取り付けての落下試験が書かれています。

    85キログラムのトルソーを取り付け、1500mmだけ落下させて、

    その時に発生する衝撃の値を測定します。

    衝撃の値は身体に与えるダメージですので、少ないほど優秀です。

    規定では8.0kN以下<strong>(*2)</strong>であることが求められています。

    これら試験をクリアした規格のものが、製品として市場に出ていきます。

     

    以上、簡単ですがハーネスの規格について2回にわたってご案内しました。

    次回はハーネスの最新情報についてです。お楽しみに。

    山崎でした。

    *1.物理の時間に出てきた「kN、キロニュートン」という単位で安全帯は検査されます。我々がよく使う「キログラム」に換算すると15kNは1530キログラム相当になります。

    *2.衝撃吸収性と呼ばれる値です。8.0kNは800キログラム相当の重さに匹敵しますので、ハーネスの様な身体全体で衝撃を受ける構造は安心です。

     

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