2月の墜落制止用器具の法令改正でまさに“変化の年”として進んでいます。あらためて平成をふり返ると、建設マンの声からKH製品としてカタチになったモノが多くあります。
工具袋 “進化シリーズ” 2006年
世の中になかった斜めカットの工具袋。「中の工具を取り出しやすく、しかも落ちにくい工具袋が欲しい」という声から生まれました。最初にお声を聞いた時は意味がわかりませんでしたが、現場で多くの建設マンが屈んで作業されている様子や、斜めに手が入るズボンのポケットからヒントを得て創りました。
工具袋・カジュアル“ SAKURAシリーズ”
黒色がカッコいいから喜ばれる、と黒い工具袋を多く作っていました。陳列すると店が一面、真っ暗になるという声がありました。また、作業服には季節感があるが、工具袋にはない。あったら楽しいのではと建設マンに提案。ピンクと黒などを組み合わせて業界初で人気商品となりました。
“じゃばら安全帯” 2010年
ロープ式や巻き取り式安全帯を持っているが使いにくい、という声が多くありました。「何とかしてくれ!」というお声も届きました。従来からの安全帯に対して、これ程の不満がある事に自分たちが安全帯の製造を開始後、改めての気付きでした。ロープの軽さ、巻き取り式の収納力、この両方の良い所を利用しようと考えて創ったのが“じゃばら式”です。「もう新しい安全帯は現れないと思っていた」と喜ばれ、建設マンの口コミで広がっていきました。
“じゃばら駕王安全帯” 2011年
じゃばら式安全帯をもっと軽く、もっと使いやすく。「もっと、もっと」の声に応えました。じゃばら駕王は全体でグッドデザイン賞、フック単体でグッドデザイン金賞を受賞しました。軽く手に沿い握りやすい形状は「愛あるデザイン」と、業界初の機能美に評価を頂きました。
工具袋 “ハローキティシリーズ” 2016年
「建設マンは一番身近に私たちの安全安心快適を提供してくれている、この事を改めてお知らせしたい」と思い作りました。世界中で愛されているキティ。キティ工具袋を使っている建設マンと、道行く方々、そこから交流が広がるような景色を思い描き、サンリオさんにデザインをしていただきました。「世界初のキティ工具袋・建設業界の招き猫」としてヤフートップニュースにも掲載され、海外からも問い合わせが入り、逆に私たちが驚いた商品でした。
“じゃばらストレッチフルハーネス” 2017年
「安全帯とは安全を確保するものでなければならない、同時に作業の邪魔になってはいけない。」建設マンが多くの不満を感じていた従来のハーネスを動きやすく、疲れにくく、かつ作業性向上を目指したのがKHじゃばらストレッチフルハーネスです。 装着すると「おお!動きやすい」と建設マンが瞳を輝かしながらその場で屈伸をしてくれます。伸縮するので、サイズ調整がしやすく、数名の女性が兼用で使っている現場もあります。
このような開発の陰で失敗も多くありました。シュシュ(髪飾り)をヒントにした“じゃばら式”は幾度も失敗し、試行錯誤の末、生まれました。「失敗は権利、しかし失敗には反省という義務がついてくる」ホンダ創業者本田宗一郎さんの言葉です。失敗をして学ぶために人生はあります。
138億年前、宇宙が誕生し隕石同士がぶつかり合って、46億年前に地球が出来た。その反動で自転している。35億年前に微生物が誕生、壮大な長い歴史の中で現生人間の誕生はたった10万年前。一人の人として誕生する奇跡、まさに命がけの連続です。その壮大な流れの中のこの時代、この在所。日本に生きる偶然もしくは必然。
元号の由来「地平天成・・国内外、天地とも平和が達成される」の通り、平和で安全が当たり前、この奇跡のような幸せの中で新しい時代を迎える。大きな変化を受け入れ、これからも小さな挑戦を続けていきたいと思います。
今回も“志在千里(しざいせんり)”を最後までお読みいただき、ありがとうございます。
2019年は変化の年。思い切って社屋内装をリメイクします。DIY専門のプロに指導してもらい、自分達も一緒に作業をします。社内に、キッチンを作ってみよう!と考えています。恒例で忘年会に水餃子を皆で作り楽しんでいますが、このような機会を増やして食を楽しみたい。職場で食場です。医食同源と言いますよね。
昨年、安全帯工場の安琳も扉をDIYで作りました。KHのロゴカラーに合わせ、朱色での扉です。その時のDIYメンバーは2歳の女の子から60代男性まで様々。近くの障害者野球チーム(世界大会で優勝した実力派チーム!)も一緒に、ペイントしたり、貼り付けしたりしながら、日本BBQ協会の方にも参加して頂き本格バーベキューを楽しみました。内装リメイクは今年の梅雨前に完成予定で、どのような設えになっていくか楽しみです。まずはやってみよう!の気分です。
藤田尊子