こんにちは!株式会社基陽 営業推進部の小谷です。
ご存知の方も多いと思いますが、2019年2月1日から労働安全衛生法施行令の一部改正により旧規格の安全帯については使用できるのが2022年1月1日までとなりました。
現段階では旧規格・新規格の両方とも使用可能な状態ですが、適切な器具への買い替えを進められる中で、お客様から疑問の声をお聞きします。
そこで、今回からは新規格の墜落制止用器具へ買い替えを進める中で出てくる疑問の声にお答えしていきます。
Q.どうして胴ベルト型ではなく、フルハーネス型が義務化なの?
A.胴ベルト型の使用者においても、死亡事故が発生しているためです。
胴ベルト型で落下したとき、衝撃は腹部に集中し、その衝撃は4kN(約400kgの重量)にもなります。
また胴ベルト型は、フルハーネス型とは異なり体が折れ曲がった姿勢になり、救助を待つのは2~3分が限界とされています。
2008~2017年の10年間で、胴ベルト型安全帯を使用していたにも関わらず、落下時に身体が圧迫され死亡した事例が6件あります。(※1)
フルハーネス型は落下時の衝撃が肩部、脚部に分散されることで衝撃が一部に集中しないため、救助を待つ場合13~15分ほど耐えられるとされています。
都内の救急車両の現場到着平均時間が8分30秒ですので、万が一落下したことを考えるとフルハーネス型が身体への負担を大きく減らすことは明らかですね。
(※1)出典「墜落防止用の個人用保護具に関する規則のあり方に関する検討会」報告書概要:厚生労働省
ただし、フルハーネス型を使用すると墜落時に地面に到達する恐れのある場合、6.75m以下であれば胴ベルト型を使用できます。(※2)
現場の状況に応じて、適切な墜落制止用器具を選ばれることをおすすめいたします。
(※2)一般的な建設作業の場合、5m以上の場所ではフルハーネス型の使用が求められており、柱上作業などの場合、2m以上の場所ではフルハーネス型の使用が推奨されます。