『畳と何とかは新しい方がいい』と冗談交じりに言いますが、今月で自宅の茅葺き(かやぶき)屋根が新しくなりました。新しい茅で厚みが出て、ふかふかと、どっしりとした屋根に生まれ変わりました。パシッと切り揃えられ美しく反り返った屋根の断面。新しい茅の香りと色とつや。若い茅葺き職人さん達の手作業仕上げた作品です。
茅を鏝(こて)で毎日毎日叩きながら差し込んでいき、少しずつ屋根の色が変わってきました。道具も、地域によって呼び名が変わるようです。一般的に鏝(こて)、で想起されるあの道具よりもひと周りほど大きく『コテ』『ガンギ』や『ツチ』とも呼ぶそうです。茅葺き職人さんと様々に会話をしながら、日々の屋根の変化を楽しみました。 下から順に明るい茶色になり、一番上に新しい胸木(むねぎ)を置いて出来上がりました。まさに日本の伝統の技と美。次は約20年後に葺き替えです。
『ヒョーゴスラビア・兵庫五国連邦』と兵庫県庁が謳っていますが、私たちの町三木は昔でいう播磨の国。隣の摂津の国、神戸は都市部では珍しく800棟の茅葺きがあります。同じ関西ですが、播磨と摂津では少し違う方言を使います。茅葺きも、播磨の国と摂津の国では工法が違うそうです。
「方言が少し違うと、屋根の葺き方も変わる」と教えてもらい興味深く思いました。更に広域で見ると、中部地方は大屋根なので、手間をかけずとにかく頑丈にしているそうです。東北地方では形に手をかけており、関東や関西は繊細、ヨシの太さをそろえたりして、丁寧に造られており、台風の多い四国の屋根は分厚くして、垂木にしっかり縛られているのだそうです。
また、日本の茅葺き屋根は江戸時代からほとんど形が変わっていない、とのこと。世界中にある茅葺き。日本と世界の違いも色々とわかり、とても面白く連綿と培われた時間を感じます。
5月には京都で国際茅葺き会議が行われるそうで、世界から150人ほどの茅葺き職人が集まるそうです。オランダでは市役所を茅葺きにしていたり、年間2,000棟もの茅葺きが増えている様で、環境問題先進国の北欧では様々な新しいスタイルの茅葺きがステイタスとして広がっていると聞きました。
温故知新、茅葺きの世界を聞きながら、「新しく葺きかえられた屋根を楽しみ、そして、これから年月をかけて古くなっていく一瞬一瞬の時もまた楽しんで欲しい。」という言葉が印象的でした。
年号も変わり、新しい時代と言いながらも時は刻々と過ぎ、新しさは懐かしさに移り変わる。使われるがうえに生活や技も変わっていきます。木の時間、人の時間、技の時間、色々な豊かな時間の過ぎ方を感じながら、日々の『様の美』を楽しみたいと感じています。
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