こんにちは、山崎です。前回に引き続いて、工具袋について書きます。
斜めカットはどこから生まれたのか。実はヒントはズボンのポケットにありました。垂直や水平にカットされたポケットもデザインとしてなら存在しますが、多くのズボンのポケットは斜めカットです。
理由はまさに「進化シリーズ」の斜めカットと同じです。中の物を取ろうとすれば手は後ろから前に入れる形になる。つまり、右腰に付けた場合なら、向って左側が低くなっていたら、手は入れやすくなります。
では中身がこぼれるのはどんな時でしょうか。人は地面に近い物を拾い上げる時、まずは腰を屈みます。そしてもっと低い物の場合は、しゃがみます。腰の動きをみると、屈んだ時は、最大で30度ほど前方に傾斜します。しゃがんでしまえば元通り水平になります。
30度の傾斜の時、中身はとてもこぼれやすくなっています。そこで向って右側を高くすれば落ちにくくなります。そして、全体でその斜度を30度に調節すれば、一連の動きで中身がこぼれることは無くなります。
数十回もの試行錯誤の上に生まれたこの考え方は、権利として保護され、今なおその機能性で多くの職人さまにお喜び頂いています。
次回は「進化シリーズ誕生編③」について書きます。
これからもよろしくお願いします。
山崎でした。
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