こんにちは、山崎です。
「ハーネス」をインターネットで調べると、安全帯としてのハーネスより先にワンちゃん用のハーネスがヒットします。
こわもての職人さんが「ハーネスの売場ってどこ?」と尋ねたところ、
「2階のペット売り場にございます!」なんて案内されたという話があるぐらい、知られていません。
実はハーネスも安全帯の仲間なのですが、今までの「胴ベルト式」の安全帯とは明らかに形が違いますよね?
「ハーネス」を知る前にまず、今付けている「胴ベルト式」について見直していきましょう。昔からハーネスは無かったのか?それとも…?
日本に「墜落防止の為の製品」というものがなかった時代、海外では「ハーネス式」が当たり前のように存在していました。
戦後間もない時期に炭鉱等での危険防止として、海外の製品をヒントに日本初の安全帯は誕生したのですが、それが「ハーネス式」だったのです。
しかし普及には至らなかった…。
当時はまだ「安全保護具を付けなければならない」という考えが強くありませんでした。どちらかというと「命を惜しがっている」イメージが先行して、なかなか装着されない時代でした。
そんな時代に「電信柱の敷設作業」や「法面作業」に主に利用されていたのは今の「胴ベルト式」安全帯でした。作業帯としての胴ベルトに落下防止用のロープを付けただけの簡易型で、作業効率が優先されていました。
オリンピックや万博のころから高度成長期に突入した日本は、高層階の建物が建ち始め、安全帯は「胴ベルト式」のまま、普及が進んでいったのです。
海外では一般的な「ハーネス」を知っている一部の方からは、
「ハーネスを普及させよう!」という声もありましたが、重厚感いっぱいのハーネスは敬遠され、軽便な胴ベルト式が広まっていきました。
次回は普及していった過程についてお話します。以上、山崎でした。
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