「“HUMHEM”のシリーズが気に入っているので、衣料用品も作って欲しい」というアンケートはがきを2通いただきました。HUMHEMは、2014年に発売開始し7年目になる工具袋や普段使い出来るバッグのシリーズです。
HUMHEMの開発のきっかけは、あるホームセンターの経営陣の方から「50代男性のお客様が多いが、その人向けのカジュアルバッグがない」とのお声からでした。
「50代男性はすごくおしゃれか、おしゃれに全く興味ない人に分かれる」とも。興味深いご意見だと感じました。
おしゃれに対し頓着のなさそうな周囲の男性達に聞いてみると、「買うときは奥さんに選んでもらっている」や、「息子さんのお下がりのバッグを使っている」という人も。20代の娘さんからは、「お父さんがオシャレだと嬉しい」と。「お父さんにどんな服を着て貰いたいですか?」と訊ねると「ポロ、ラルフローレン」という答えが多く、共感しました。
多くのご意見を聞き、そこからキャラクターを考えました。力持ち・働き者。そして頑固な面もあるロバ。そしてロバの背中に小鳥。守るべき家族や責任感を表現しました。
ちょうどその頃、綿が原料不足していました。自然な風合いを出す為に綿を・・・と考えていたのですが、綿の代替えとして混紡綿を採用しました。軽く丈夫な風合いの良い素材です。
ロバと小鳥のキャラクターについて、中年(英語でミドルエイジ!)の少し素直でない方に説明をしていると、「ふーん、へー」を繰り返し、「ふーん、へー」とつまらなさそうに聞いておられました。あぁ、そうか、じゃ、いっそ名前は「ふーん、へー」を使って「HUMHEM」にしてしまおうと考えました。
軽量で摩耗に強い混紡綿のHUMHEM、目立つデザインではありませんが、長く愛されています。今回アンケートを頂いた方と話すと、HUMHEMのロゴを詳しく見ておられたので驚きました。「大地をしっかり見ているロバと、未来を見ている小鳥」と表現されました。「このデザイン好きなので衣料も作って欲しい」「HUMHEMのロゴを大きくして欲しい」と。
ふとしたきっかけで製品は生まれます。育てるのは、使って下さる方の想いだと改めて気付かされます。有難く、厚く御礼を申し上げます。